【映画】シン・ゴジラ

これは怪獣映画ではなくて、政治的サスペンス映画ですね。アメリカ映画のようにスーパヒーロは出てきません。閣僚たちの群像映画です。

想定外の事案が現在の日本で起きたとき、政治家はどのような過程を経てどのような決断を下すのかをかなりリアルに描いています。さまざまな閣僚会議や官邸内の慌ただしさがドキュメンタリーのように映し出されます。

有害鳥獣駆除の名目で自衛隊が防衛出動するなんてすごいリアルです。自衛隊の手に負えないと分ったとき同盟国アメリカはある判断を下します。日本にとっては致命的なものです。日本は、アメリカにとっては太平洋を隔てた遠い国です。

ゴジラは想定外事象の象徴なので放射能をばらまきながらのそのそ歩くだけの超巨大生物として描かれているだけです。感情移入の対象とはなりません。たぶん、福島原発のメタファーなのでしょう。日本政府が最終的に立案する作戦も福島原発に対する対処方法を思い起こさせます。

いろんな俳優さんが出演しています。石原さとみ以外は良かったです。彼女のシーンだけ妙に浮いている。

子供が見ても理解できないと思います。中学生でも無理。安全保障や国防に関心のある方は是非。