【ザカリア】The United States shouldn't take sides in the Sunni-Shiite struggle

https://www.washingtonpost.com/opinions/the-united-states-shouldnt-take-sides-in-the-sunni-shiite-struggle/2016/01/07/a992713c-b56f-11e5-a842-0feb51d1d124_story.html
概略:
 スンニ派シーア派。これが中東を支配しているトレンドである。この対立に対して米国や他国は有効な手立てを施すことができない。

 そもそもの発端は2003年の米国によるイラク侵攻であった。それまでスンニ派により統治されていたイラクは米国の介入によりシーア派の手に渡った。この混乱はアラブ諸国の権力バランスを壊してしまった。

 スンニ派シーア派の間には常に緊張関係はあったが、最近までなんとか平和が保たれていた。転換点となったのはイランにおけるイスラム革命である(1979年)。宗教色の濃い政権が成立し、このやり方を輸出し、他国のシーア派の支援を始めたのである。これに強く反応したのが反シーア派政権のサウジアラビアであった。サウジアラビアシーア派のモスクを破壊しシーア派は異教徒であると宣伝を始めた。

 現在サウジアラビアはイランがイラク国内で影響力を強めていることを懸念している。また、サウジアラビア国内の石油採掘地域の近くにはシーア派が多数住み、国境を接するイエメンやバーレンにはサウジに対し憤慨しているシーア派で一杯である。

 一般的に言えば、イランの勢力に抵抗するために米国はサウジを支援すべきである。しかし中東の党派的対立に対してどちらか一方に付いてはいけない。所詮よその国の内戦なのだ。ISとの戦いにおいて重要な同盟国はシーア派の支配するバグダッドである。米国の一番の脅威は過激なスンニ派であり、彼らはサウジから支援を受けているのである。

私見
つまり、こういうこと。

  1. イラン(シーア派)の勢力を抑制するためにサウジ(スンニ派)を支援する。
  2. サウジ(スンニ派)はIS(スンニ派)を支援している。
  3. IS(スンニ派)の勢力を抑制するためにバグダッドシーア派)を支援する。

党派の観点から見てはだめで米国の国益の観点から外交を進めろということ。