【読書】ヨーロッパから民主主義が消える

国力論で中野剛志氏はこう述べました。
「人間は社会的動物であり、その経済的活動は、自らが生まれ落ちたネイションに蓄積された文化、歴史、慣習、制度の影響を大きく受ける。経済はネイションに埋め込まれているのである。経済発展を推進し、その方向性や様態を決定する原動力はネイションの力にある。それゆえ、経済システムは、ネイションごとの多様性をみせる。要すれば、ネイションに対する理解なくして、近代経済成長の本質を理解することは不可能なのである」

政治もまたネイションを基盤にしている以上、政治と経済は切り離すことはできません。EUは政治的統一をせず経済だけを統一させる試みでした。この壮大な社会実験は崩壊しつつあります。それに追い打ちをかけているのが膨大な数の難民です。いまEU加盟国では国境での検問が復活しつつあります。ソ連解体のようにEUも崩壊していくのでしょう。