【ザカリア】Bile, venom and lies: How I was trolled on the Internet
概略:
「自制の存続のためには教育を受けた大衆が必要である」とトーマスジェファーソンはしばしば主張した。現在、ソーシャルネットワークは、人びとが事実・考え・意見を共有する主要な場となっている。しかし、ウソが流されたとき何が起きるだろうか。
2010年から2014年までのFacebookの投稿を解析した最新の研究によると、人びとは自身の偏見に根拠を与えるような情報を共有したがることが分った。事実や正確さは蔑ろにされていた。その結果、根拠のない噂・疑惑・偏執により助長された情報が広がることになる。受け入れられることを意図したウソを作り出す仕組みはたくさん存在する。最終的には、一度受入れてしまうと否定することが難しくなる誤った思いこみが生じることになる。
ここ数週間、私はこの挑発のターゲットにされ、その仕組みを正確に観察した。私の経験から言えば、Facebook上での会話はいくらかましであったが、Twitterなどは酷いものであった.
1970年に2人の心理学者がある実験を行った。ある質問に対する答えに従って学生を、強い偏見を持つグループと弱い偏見を持つグループに分けた。それぞれのグループ内で、物議を醸している問題について討論してもらった。その結果、偏見の強いグループはさらに強固な偏見を持つようになり、寛容なグループはさらに寛容になった。同じことがものすごい速度で世界中で起きている。これこそが、急進化が起き、過激主義が拡散する仕組みである。
私はソーシャルメディアが好きである。しかし、ウソと真実を区別する仕組みが必要である。ウソはウソなのだから。