【ザカリア】Yes, America is being changed — but by whom?

https://www.washingtonpost.com/opinions/yes-america-is-being-changed--but-by-whom/2016/02/11/834d3dca-d105-11e5-88cd-753e80cd29ad_story.html
概要:
上院議員であるマルコ・ルビオは土曜日の討論会で繰り返しロボットのようにこう発言した。「バラク・オバマは自分が何をしているか正確に知っている。彼はこの国を変えてしまうためにシステマティックな努力を企てている。米国を他の国と同じレベルにまで貶めようとしているのだ」。彼の発言の本質は一体なんであろうか?

オバマ大統領は米国を根本的に変えようと試みているという告発は、右派の討論会では定番となっている。オバマの政策は米国の国家観を変え他国との違いを鈍らせるよう意図的に設計されていると右派は主張している。ルビオの警告によると、今が最後のチャンスなのだ。オバマの政策が続くのであれば、米国は他国と変わらぬ国に成り下がってしまうだろう。

この主張は重要な問題を提起している。米国を他国と区別しているものは何なのか?オバマも含め米国の政治家でこれを明確に表現した人はいない。

今日米国の例外主義は経済現象として捉えられている。多くの保守派によれば、オバマケア、エネルギー政策、Dodd-Frank金融規制は、米国と他国を隔てる核心部分を、政府の役割を大きくすることにより、破壊してきた。

しかし、政府の権限は強く制限されてきたのだろうか?保守的なヘリテージ財団は、経済の政府からの自由度をベースにして国をランク付けする「index of economic freedom」を年に一度発行している。そこでは米国は11位である。カナダ、オーストリアアイルランドニュージーランド、チリ、スイス、シンガポールよりランクは下である。経済的に自由であることが米国を際立たせているようには見えない。

実際、米国の富みの蓄積は大変巨大であるが、複雑な方法で法的に規制を受けているのだ。企業が支払う医療費の免税のような租税支出額はGDPの4%に達している。さらに、 米国の社会保障額は先進国の中で第2位である。

最も重要なことは、政府の役割は十分に大きく、それは他国と米国を区別するものではないということだ。

自由であることが他国との違いだろうか?米国の自由についての考えは常に漸進的なものであった。なぜなら米国は多くの国民に対し(黒人に対し)自由を否定していたのだから。

それでは建国当初から米国を特別な存在にしていたのものは何なのか?それは、人種や民族、宗教ではなく理念で建国された国であったということである。人びと、理念、文化、宗教に対する寛大さが新しい国民 --- 米国人--- を作り出したのである。偉大な歴史家Gordon Woodは米国の例外主義について彼自身の見解をこう述べている。「いかなる歴史的な意味に於いても米国は国家であったことは一度もない。我々米国人は他国の国民が持つようなナショナリティを持っていない。これが、限界を超えて移民を吸収することができる理由なのだ」

他の国は小さな政府と低額の税制を持ち、自由民主主義である。しかし、移民を受入れることに対し寛大ではない。米国は多様性の上に成り立つ国家である。

この米国を変えようとする試みが存在する。宗教的、民族的テストを導入し移民や観光客までも禁止し、彼らを追跡しようとする計画が存在する。教会を監視する提案もなされている。

これら提案は米国を根本的に変えてしまうだろうし、建国のDNAを破壊することになるだろう。米国を他国と変わらぬ国にしてしまう。

このような変化を主張しているのは誰なのか?オバマでないことは確かである。

私見
ザカリア氏のオバマ擁護がだんだん悲痛になってきた。